クライアントに「先生」として接していないかセルフチェックして、長期契約へのコツをつかめる本
「おはよう! 元気? いい天気で気持ちいいね。さあ、今日もみんなでモリモリがんばっていこう!」
いつも明るくパワフルで「元気があればなんでもできる」系の熱血先生。
ちょっとわざとらしいかもしれませんが、こんな先生に出会ったことはありませんか?
昭和生まれの方ならだいたい小学校には1人くらいいたはず(笑)
でも「正直、私ちょっとついていけない…」と感じた人もいることでしょう。
「同じことをコンサルティングでやってしまっていませんか?」というのが本書の問題提起です。
「先生」はパワフル系に限りません。専門知識をひけらかす、ノウハウを強要する、成果にこだわる、などなど、無意識のうちに先生キャラでクライアントに接しているかもしれない。
あなたがお客様との長期的な関係づくりにお悩みのひとり起業家だったら、本書でセルフチェックできる点はたくさんあります。
では、どうしたら長きに渡ってお客様と良好な関係を築き、契約が持続するのか。本書によればそのカギは「伴走型」コンサルティングにあり。
主役はあくまでお客様であってコンサルタントは黒子である。応援はするけど、自分が前に出ることはない。
マラソンの伴走者と同じように、未来を見据えながら一緒に走ってくれる人。そんなイメージでしょうか。
すべては、目の前のクライアントの欲求から始まります。そして、その欲求は常に変化し続けていると知ることもとても大切な要素(P32)
コンサルタントとしての自己イメージを、「何かを提供しなければならない」「何かしらの分野において権威でなければならない」「クライアントよりも優れていなければならない」と捉えているなら、本来クライアントが求めている価値とは違う価値を提供してしまう(P64)
すべてはお客様の気持ちから始まるのであって、コンサルタントは先生ではないことがよくわかります。
一方で、「主役」としてのコンサルタントの顔の重要性も強調されています。
ではどこで主役を演じるかといえば、答えは「事業主」。
もう少し噛み砕きましょう。
お客様との長期契約を維持するのは大事ですが、それ以前にお客様と出会う、選ばれるというプロセスがあります。
そういう場面では、バリバリ主役を演じましょうということです。
いつでも新規クライアントを獲得できる状況を作っておくことが大切です。クライアントに依存しない状況を維持するためには、いわゆる見込みクライアントをたくさん見つけておくことです。ぜいたくを言うなら、今は現クライアントへの注力のために他クライアントをお受けすることはできないが、クライアント候補は常に確保できている、くらいの感覚です。(P111)
ニッチャーとは、マーケットリーダーやチャレンジャーがニーズを満たしきれていないゾーンに特化してビジネスを行なうポジションです。言わずもがなですが、独立系コンサルタントが勝負するには、ニッチャーとしてエッジを効かせることです。(P114)
もちろん、既存クライアントで長期契約が続くのは望ましいのでしょうが、リスクヘッジのためにも、集客には「主役」でいきましょうということですね。
著者は林田康裕さん。
サラリーマン時代、「コンサルタントは偉そうな事ばかり言ってるし、好きじゃない」と思っていたそうですが、親しみやすい講師の方と出会って、マネジメントの考え方が180度変わったそう。
「コンサルってなんか微妙…」と思っている方にもおすすめの一冊です。
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