『論文の教室: レポートから卒論まで』(戸田山 和久氏)3点即レポ

書評/本紹介/ブックレビュー

「ビジネスの企画書以上、かつ学術論文未満」の論文ないしはレポートを書くことができれば、ビジネスパーソンとして差別化されるのでは?

即レポ①:論文を書く目的は

”民主社会の担い手になるため”(P13)。

”解決すべき問題をきちんと述べ、それに対する自分の答えを主張し、それをデータや論拠でサポートする、というのは、「みんなに関係することがらはみんなで議論して決めましょう」という社会、つまり民主主義社会の担い手に求められる最も重要なスキル”(P13-4)

→これは学生のみならず、AI時代の社会人にこそ当てはまる。「ビジネスの企画書以上、かつ学術論文未満」の論文ないしはレポートを書くことができれば、ビジネスパーソンとして差別化されるのではないか。

即レポ②:学生の卒業論文においては、

”問題を「えっ。こんなに小さな問題でいいの?」と思うくらいに絞り込むことが大切”(P76)

→これは大人が問いを立てるときにも重要な考え方。漠とした問いでは答えが出ないばかりか、そもそも自分が何を問題にしたいのかが不明確だということ。

即レポ③:問いが大き過ぎる時は?

問いを細分化するための質問:
”本当に?(信憑性)
どういう意味?(定義)
いつ(から/まで)?(時間)
どこで?(空間)
だれ?(主体)
いかにして?(経緯)
どんなで?(様態)
なぜ(1)?(原因)
なぜ(2)?(根拠・理由)
なんのため?(目的)
どうなる?(結果)
他ではどうか?(比較)
これについては?(特殊化)
これだけか?(一般化)
すべてそうなのか?(限定)
だからどうなの?(価値評価)
どうすべきか?(当為)
どうやって?(方法)
”(P140)

→まず自分の関心領域で漠然とした問いを出す。それから、この質問を機械的にぶつけていけば、現実的に論文・レポートで問えるレベルまで細分化することができる。

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